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阿部 豊; 傍島 真; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(5), p.415 - 432, 1986/00
被引用回数:4 パーセンタイル:48.02(Nuclear Science & Technology)加圧水型原子炉の冷却材喪失事故時再冠水過程においては、上昇蒸気流によって上部プレナム内に飽和水が蓄積される。この飽和水は、上昇蒸気流の存在下で炉心へ落下し、炉心上方から下方へのクエンチを進行させる。この気液対向二相流条件下におけるクエンチ進行に及ぼす上昇蒸気流の影響を上部プレナム落下水伝熱流動試験装置を用いて実験的に調べた。そして、このクエンチ進行に対して、発熱体側の熱伝導だけでなく、流体側の質量およびエネルギーの保存則を考慮したモデルを適用したところ、気液界面でのせん断応力の効果とクエンチフロント近傍での蒸気流の流路縮少の効果を考慮することにより、実験データを良く説明することができた。以上の実験結果ならびに考察をもとに、上昇蒸気流の存在下における落下水によるクエンチ進行を予測するための式を導いた。